「不動産投資」第三の利回り:FCR(総収益率)の重要性
不動産投資は、資産形成の一つの手段として注目されていますが、融資を活用した不動産投資は、自己資金の何倍もの物件を購入することができ、家賃収入でローンが返済できるというメリットがあります。
一方、数億の融資を受けることはリスクを背負うことになるため、そのリスクを軽減し、収益をアップさせる方法を知っておく必要があります。
今回は、不動産投資における重要な指標の一つである「FCR(総収益率)」について解説します。
FCRの意味とその計算方法、そして、なぜFCRが不動産投資で重要なのか、について詳しく見ていきましょう。
FCRと計算方法
FCRは「Free & Clearly Return」の略で、不動産投資の実質的な利回りを示す指標です。
具体的には、年間の家賃収入から空室率や諸費用(運営費:固都税、管理費、清掃費、その他必要経費)を差し引いた「純家賃収入(NOI)」と、物件価格に対して、購入時の諸費用を合算した「投資総額」を用いて計算されます。
そして、FCRの計算方法は以下の通りです。
FCR(%)= NOI(純家賃収入) ÷ 投資総額(物件価格+諸費用)
FCRの重要性
物件の「表面利回り」よりも「NET利回り」よりも、FCRは物件の真の利回りを示すため、不動産投資で成功するために欠かせない指標です。
「表面利回り」だけを見て投資物件を選定すると、後々リスクが発生した時に「こんなはずではなかった」という後悔に悩まされるますが、FCRを理解しておくことで後々のリスクを想定し、より現実的な「利回り」を考慮に入れることができます。
FCRの具体例
一棟アパートを価格1億円で購入し、融資金利1.2%・融資期間35年・融資割合90%、諸費用が580万円の場合を考えてみましょう。
【投資総額】
物件価格+自己資金=10,580万円
【NOI(純営業収益)】
・満室家賃収入 :700万円
・95%稼働計算 :665万円
・必要経費概算 :△140万円
・純収益(NOI) :525万円
この場合、FCRは以下のように計算されます。
FCR = 525万円(NOI) ÷ 10,580万円(投資総額) = 5%
収益不動産を現金で購入される場合は、このFCRの指標に拘る必要があります。
なぜなら、諸費用を足して購入するのが真の投資額になり、そのNET利回りであるFCRを購入時の判断基準に設ける為です。
まとめ
不動産投資におけるFCRの理解は、投資物件の真の収益力を把握し、より良い投資判断を下すために重要です。FCRを用いて物件の収益性を評価することで、不動産投資の成功に一歩近づくことができます。
この記事はあくまで一例であり、具体的な投資判断についてはWealthAgentにご相談いただくことをお勧めします。
不動産投資はリスクも伴うため、十分な情報収集と慎重な判断が必要です。