不動産投資のDCR

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※【お断り】このブログは音声配信を文字起こしした記事になります。

さて、3月18日の今日と明日19日に、日銀の金融政策決定会合が開催され、現在のマイナス金利政策を解除するかどうかについて議論される予定です。

そして、マイナス金利が解除される、というのが大方の予想です
※既にこの文章を読んでいる時には決定しているかも(笑)。

マイナス金利が解除された場合、今後、住宅ローンのみならず、アパートローンにも影響がでると思いますので、今回は金利が上がった際の不動産投資における対応策を兼ねたお話です。

はじめに、不動産投資の指標の1つとして、DCR、というものがあるのはご存知でしょうか。

DCRは「Debt Coverage Ratio」の頭文字をとっており、

日本語で言うと「負債支払安全率」「ローン返済安全率」と、呼ばれていて、

その投資における安全性を、次の式で表しています。

・不動産所得(NOI)÷年間返済額(ADS)=DCR

不動産所得というのは、家賃収入から諸費用を差し引いた、純利益でNOIとも呼びます。

そして、年間返済金額は、当然ですが、毎年支払う借入の返済金額のことでADSと呼びます。

この不動産所得を、年間返済金額で割戻した時に、プラスでないと、CFは当然ながら黒字になりません。

つまり、DCRは、ずばり「金利リスク」を表しています。

もし、NOIが100万円、ADSが80万円であった場合、100÷80=1.25になりますので、

金利が上がっても、80万円×1.25=100ですから、1.25倍までは、耐えられる、ということになります。

この1.25がDCRです。

そして、僕の計算ですと、金利が0.5%上昇して年間の返済金額が上がれば、DCRは約0.1下がります。

今まで1.25倍まで耐えられていたのが、1.15倍までしか耐えられないことになるんですよね。

もし、金利が1%上がればDCRは約0.2下がりますので、1.05倍までしか耐えられないです。

それ以下になりますと、間違いなく赤字、いわゆるキャッシュアウト、になります。

そして、このリスクを背負っているのが、今までフルローン、もしくはオーバーローンで融資を引いてきた投資家なんです。

こういう話をすると、自分が保有している物件はDCR1.3だし、大丈夫ですよ、というお話をいただきますが、それは、購入時の数字ではありませんか?

購入後に一部屋あたりの家賃下がっていませんか?

空室が発生したり、空室期間は長くないですか?

フルローンやオーバーローンを引く投資家さんの傾向は、ほとんど新築物件であることです。

新築物件は、当初の家賃設定は高めですので、その時のDCRも高めなんです。

NOIが高いから。

でも、現時点でのNOIを冷静に計算すると、購入時よりも下がっているケースが目立ちます。新築物件なんで。家賃下がるんですよ。

フルローンやオーバーローンということは、年間の返済金額は通常よりも高めなので、現時点でのNOIで計算をすると、僕の予想ですけど、DCRが1.1前後というケースが多いと思います。

その場合、金利が1%上昇するとDCRは0.9になり、間違いなく赤字に転落します。

これを回避するには、3つの方法があり、

1つめは、家賃を上げる=NOIを上げること

2つは、繰り上げ返済をする=ADSを下げること

3つめは、早期売却する

です。

今更、そんなことできるの?と思われるかもしれませんが・・

マイナス金利解除で基準金利を引き上げた場合の、新しい金利の適用時期についてですが、仮にこの4月に解除であれば10月1日に判定が行われて、2025年1月~6月にかけて新しい金利を適用するとしています。

もちろん、借入をしている銀行にもよりますが、先程上げた3つのいずれかを選択するのに、まだ時間はありますので、どの選択をしても、十分間に合うと思います。

YouTubeでフルローンやオーバーローンをオススメしている人は多いのですが、

基本的に僕はオススメしていません。

せめて、自己資金5%から10%は入れるべきで、できれば20%前後を検討することをオススメします。

それは来るべき金利上昇のリスクを回避するためですね。まあそれだけではありませんけれども、その話はまた今度、お話をしたいと思いますので、こうご期待、ということで。

はい、いかがでしたでしょうか。

今回は、「マイナス金利が解除になった場合のDCR」についてのお話しでした。

最後までご視聴いただきありがとうございました。

ではまた。

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