銀行は「デット(Debt)の投資家」K%を見極めよう!

目次

不動産投資とK%

不動産投資では「エクイティの投資家」「デットの投資家」という表現があります。

「エクイティの投資家」とは自己資金を支払う者、いわゆる投資家のことです。

「デットの投資家」とはAnnual Debt Serviceの(Debt)であり、(Debt)を訳すと(負債、借金)、を意味します。
つまり、銀行から融資を受けてその資金を利用する場合、銀行はそのデットの提供者、すなわち「デットの投資家」となります。

不動産の購入は、銀行からしても投資にあたりますので、不動産投資は「投資家」と「銀行」の両者が協力した上で成り立つことがよく理解できる表現ですが、借入金の返済能力やリスクを考慮することも重要です。

そして、投資家が銀行との関係を理解し、より良い投資判断を下すための重要な指標に「K%」という指標があります。

今回は、このK%について詳しく解説します。

K%とは?

K%は、「年間の借入返済額(ADS)」と、「現在のローン残高」との比率を示す指標です。具体的な計算式は以下の通りです。

K% = 年間の借入返済額(ADS) ÷ 現在のローン残高​

仮に、ADSが100万円でローン残債が3,000万円であれば、K%=0.3%となります。

さて、ADSは年間の借入返済額を指しますが、借入返済額の中には金利が含まれます。
そして期間を設けることによってその金利は各年に分配され・・

・短期融資であれば借入返済額が多い
・長期融資であれば借入返済額が少い

になったりもします。

ですから、K%は銀行がどれだけ収益を上げたかを「%」で表す為「銀行から見た利回り」と言ってもいいかもしれません。

つまり、投資家はK%を用いて、自身の収益と銀行の収益を比較し、投資が適切であるかどうかを判断する必要があります。

K%の活用

一般的に融資は「金利が高いか・低いか」で判断されがちですが、K%を用いることでより深い分析が可能になります。


以下に具体的な例を挙げて説明します。

・物件価格:6,000万円
・借入金額:5,000万円

以上の内容で、2パターンの融資を想定した場合を考えてみましょう。

パターンA:「金利3.0%・返済期間15年」
・パターンB:「金利3.5%・返済期間25年」

一見すると金利が低い「A」の方が有利に見えます。

しかし、K%を算出すると・・・

パターンA:「年間返借入済額414万3490円」÷5000万円=8.3%
パターンB:「年間返借入済額300万3741円」÷5000万円=6.0%

となります。

銀行の利回りが低い方が投資家への利益が多いことから、K%が低い「パターンB」の方が投資として有利であり、「A」よりも「投資家への配分」が多いことがわかります。

さらに、「B」の年間返借入済額は約114万円少ないので、5年続ければ600万円近い差が生まれます。

このように、K%を把握することでキャッシュフローの有利、不利を客観的に判断できるのです。

まとめ

不動産投資はフルローンが有利、との解釈が広がり一般的になりつつありますが、K%によっては、フルローンが不利になり得ることもあります。

K%は、投資家が銀行との関係を理解し、より良い投資判断を下すための重要な指標です。
K%を理解し活用することで、より良い不動産投資を心掛けましょう。

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