不動産投資の初心者が気を付けたいこと

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最近、不動産投資に興味をお持ちのお客様から、不動産投資についてのご相談をよくいただきます。
ご相談をいただく方は、不動産投資を考え初めたばかりの方が多いのですが、必ずといっていいほど、フルローンを希望されます。

僕は、決してフルローンを否定するわけではありません。ただ、僕の考えを少しお話しできればと思います。

はじめに、フルローンが期待できる金融機関は、一棟アパートや一棟マンションに限りますが、今は「オリックス銀行」のみです。

その他の金融機関は、基本的にはフルローンの取り組みをしていません。

取り組みを行っていても、金利が3%以上であったり、他に保有している不動産があれば共同担保として差し出しなさい、ですとか、そのような条件付きであれば、あまりオススメもしていません。

そして、オリックス銀行がフルローンを出すパターンの1つに、「新築物件もしくは築浅物件」であることが特徴としてあげられると思います。

今、首都圏の1棟アパートや1棟マンションの新築物件の表面利回りはとても低いです。表面利回りが低いということは、当然ながら「利益」を出すことは、とても難しいとも言えます。

新築物件の表面利回りが低い原因としては・・・

・建築業者が建築費用に利益を乗せていること
・その物件を買い取った不動産会社が販売するとなれば不動産会社の「利益」も乗ること

建築業者さんと、不動産会社さんの、双方の利益が乗るのであれば価格は割高になりますし、建築費用が高騰している現代では、尚更その影響がもろに表面利回りへ波及するわけです。

でも、表面利回りが低くては、物件が売れませんので、物件を売却する売主さんや不動産業者さんは、「新築プレミアム」を利用することになります。

新築時の家賃は相場より1割から2割ほど家賃が高くても入居者さんが入る傾向にあり、それを「新築プレミアム」と呼びますが、そのプレミアム価格を利用して、表面利回りを高めて売るわけです。

でも、それが通用するのは、最初だけで、時間の経過と共に、入居者さんは入れ替わり、家賃も下落していきます。結果して、低利回りの物件になってしまいます。

そして、「低利回りでは利益が出ないから、いっそのこと売却しよう」との考えに至る投資家さんも多いかもしれませんよね。但し、現実的には、この賃料の下落に加えて、中古になった途端に「期待利回り」も上昇します。

「期待利回り」とは、どういうことかといいますと、不動産は、減価償却という考え方があり「建物の価値は時間の経過と共に年々減少する」という考え方があります。ですから、新築時から10年経過した物件は、新築時よりも建物価格は低い、という発想にいたります。家賃収入が変わらずに物件価格が下がれば、表面利回りは上がりますよね。この、中古物件になればなるほど表面利回りが高くなることを「期待利回り」というわけで、新築物件の表面利回りが5%であれば、10年経過した同じ物件の表面利回りは5%以上でないと売れない、ということを意味します。

その証拠に、都内の新築物件と中古物件を「楽待」で検索すると、新築物件は表面利回り5~6%、中古物件は7%前後の物件が多くて、中古物件の方が表面利回りが高いことが分かります。

期待利回りを1つの例で計算してみますと・・・
年間の家賃が100万円で、表面利回り5%であれば、100万円÷5%=2,000万円、が物件価格になります。

10年後に期待利回りを7%で計算すると・・・
100万円÷7%=1,428万円、が物件価格になります。

実際の新築物件では、新築プレミアムであった賃料の下落もありますから、その賃料を期待利回りで割戻せば、売却をする時に尚更「利益」が期待できない可能性の方が高まるとも思います。

ですから、フルローンが悪なわけではなく、低利回りで、将来の売却益が薄い新築物件がどうなのか、ということですので、もちろん、特殊な事情で割安な新築物件を手に入れたり、既に保有している土地があり、建物だけを建てる地主さんの土地活用であれば、表面利回りはそこまで低くなりませんので、それは、資産形成の対象として問題はないと思いますが、以上のことを鑑みた上で新築物件=フルローンを検討するべきだと思います。

いかがでしたでしょうか。今回は「不動産投資の初心者が気を付けること」についてお話をさせていただきました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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